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8月から少しずつ行ってきた崇福寺の畳工事ですが、
本日、無事に完了することができました。

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この山門を何度もくぐって畳を運びました。
お陰様で4キロのダイエットになりました。

よく使って頂いた従来の畳と、これだけ色が違います。

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全て本堂と同じ熊本産の畳表を使いました。
目が詰まったカチカチの畳表です。
5年程使うと表皮に艶が出てきます。

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崇福寺には徳川家の御朱印櫃や時計、信長公の書など、
重要な文化財が多く保管されています。
もし何かあると畳どころの話ではなくなりますので
物の移動は念入りに計画の上、慎重に行いました。

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中でもこの櫓時計は予想以上に重く
この時が一番気を使ったかもしれません。

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今回は新調、そして畳床のモディファイもあり、
畳のラインを揃える事が課題でした。
既存の畳を生かす兼ね合いもあり、
採寸はよく考えて行いました。

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最初に畳をめくってみると、先代の手掛けた畳でした。
全く聞いていなかったのでびっくり。
しかし不思議な縁を感じました。

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週末の20日には晋山式が行われます。
晋山式とは住職の世代交代の披露です。
関連寺院の多くの方々が来られることでしょう。
新畳の色と香りが式の一助となれば
こんな嬉しい事はありません。

今まで、絶えず先代を意識して仕事をしてきました。
勿論、そのリスペクトはこれからも変わる事はありません。
今回いくつか自分に課題を課したのですが、
あくまでも自己採点ですが、、「何とか一人前になれたかなあ」と。
文政3年(1820)から来年創業200年になる当店の六代目として
認めてやる事に、そして自覚することとしました。
先代が他界してもうすぐ8年、やっと当店も世代交代できました。
これからも変わらず精進するつもりです。

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すっかり秋めいてきましたね。
今年は寺院様のご依頼をいくつか頂きまして、
例年にない200帖近い紋縁畳を製作しました。

紋縁はご家庭の床の間に使用する縁、格の高い畳になります。
下の写真では丸い紋が綺麗に並び、畳の目に「目乗り」しています。

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我々畳店には「紋合わせ」という言葉があります。
両端から紋が始まり、かつ隣り合う畳の紋と合致させる技術です。

何枚も作って経験を積み、色々と頭を使って製作しているのですが、
作れば作るほど完成度に対する欲が出てきて
なかなか奥が深い畳製作作業です。

両端で丸紋が終わるようにするためには、畳の長さが
紋の直径の倍数でなければなりません。
しかし畳の丈がその倍数である事はまずありません。
パッと置いて丸の半分で切れてしまう場合には
引っ張るか縮めるかの必要が出てきます。
あくまでもこれは初歩的な段階の作業です。

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製織上、紋の形は歪になっているので、隣の畳と合わせるために
私は中心、そのまた左右の中心の三箇所45cm毎で
紋の位置を固定します。
水をつけると縮むのですが、均等に縮むとは限りません。
加えて重要な事は、一個一個の丸紋が横方向にも綺麗に揃う事です。
まず、紋の直径を考慮して畳表の上に固定しますが、
折り返した時に紋の直径と一致する位置は一点しかありません。

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縁際の仕上がりを良くし、また強度を上げる意味でも
通常の縁下紙の上に「ホソ」と呼ばれる紙を当てて縫います。
縁を曲げる時には僅かにロスがあるため、
このように紋の位置と曲げ際がズレていないと

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このように縁際に丸紋の端がピタリと乗らないのです。
ただ折り返しただけでは右側のように紋の形が崩れています。
こうした歪な形を一個一個是正しながら、側面も固定して
最後に返し縫いで縁を縫い付けます。

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縫い終わって定規を当てて確認します。
置き畳なら良いのですが、この畳は端の紋がダメです。
紋は綺麗に乗っていますが、框に板が入っていない場合、

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畳を敷き込んだ時に畳が縮む僅かなロスで
縁が下に引っ張られ、紋が欠けてしまうのです。
若干ですが紋を置く位置が外すぎるのです。
僅か1.5ミリといえ、面倒でもやり直しです。
最初の頃と比れば、いつも同じ仕上がりになりましたが、
まだ時折、やり直しをする場合もあります。
文化財を含め、この格の高い「高麗紋縁」の仕上げには
決して妥協してはだめな事を京都で学びましたが、
紋乗せ・紋合わせは難しい、でもやり甲斐のある仕事だと思います。

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織田信長と信忠の位牌が安置される崇福寺。
前回の畳も当店先代の仕事でした。
8月の暑い最中から、先代に負けない仕事!と
頑張ってきましたが、残り僅かとなりました。
信長公に仕える気持ちで頑張ります!

奇しくも今週末は岐阜信長まつりですので、
崇福寺は無料開放されます。
先日は女優の田中美里さんが来られました。
「日本史の新常識」BSフジ10月12日19時〜放送
床が映れば、新しい畳と古い畳が見られるはずです。
是非ご覧ください。

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2019.09.29 縁なし畳_92
新築物件に納品しました。

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厚みは33ミリ、軽くてクッション性のある畳床を
使用しました。

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2019.08.31 縁なし畳_91
縁なし畳の1帖ものを納品しました。

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半畳の市松敷きの場合は縦横が交互になりますが、
このような通常の敷き方ですと幅方向に3枚並びます。
畳表が曲げてある側面同士が合わさると隙間ができ易いです。
寸法通りに出来上がっていてもです。

最初苦労した頃を懐かしく思い出しました。

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2019.08.29 茶事と懐石
普段のお茶の稽古というのはあくまでも「割稽古」です。
およそ4時間かけて行う茶事の中の、薄茶と濃茶のパートだけを
稽古しているに過ぎません。

その4時間の半分以上が茶懐石です。
普段、なかなか体験出来ない茶事の稽古に行ってきました。

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銀閣寺の程近く、有名な仕出し店三友居の別邸「塵外室」があります。
数寄者の方の別荘だったとお聞きしましたが
素晴らしい雰囲気の御屋敷。
梅雨の真っ只中、雨と緑のコントラストがとても瑞々しいです。

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亭主が心を込めて作った料理が、一品ずつ出てきます。
この鮎は一度干してから焼かれていて香ばしく最高でした。
茶懐石の頂き方には、沢山の決まり事があり、
お茶と同じように奥が深いです。
一朝一夕で会得できるものではありません。
正しい知識と経験が必要。

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最初は御飯を一口。
そのあと酒を頂いてから向付に手を付けます。
煮物、焼物、御吸物など、少しずつ味わいます。

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しばらくすると「千鳥の盃」。
八寸の上には酒の肴である海の物と山の物が
対角に置かれ、
亭主が客の吸物蓋裏に取り分けます。
亭主に酒を注ぐのは次客故に「千鳥」なんですね。

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亭主は官休庵の小林宗匠、そして正客は矢橋会長。
最後に正客が亭主に酒を注ぎ御礼して納盃になります。

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私は茶懐石に対するアレルギーがありましたが、
もうそんな事も言ってられなくなりました。
茶の湯の集大成は茶事であり、茶人としての目標は
自分が亭主になって茶事を行うことだからです。

洒落たセレブな時間がゆっくりと流れて行きます。

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天近の近澤さんの次に酒を頂きました。
いい加減に酔いも回り、最後に濃茶を頂きました。
しかしこれをやる方はもっと大変ですね。
悔しいかな、知らない事の方が多い。
茶の湯の世界の、奥の深さを垣間見ました。

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