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2010.04.28 鶴棲院
鶴棲院(かくせいいん)は、六院ある瑞龍寺塔頭(たっちゅう)の中の一院です。
この総門を入ると、

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参道の右側にあります。

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ちょうど3年ほど前に、70帖近い本堂の畳を備後表で表替えしました。当院を度々
訪れる五代目が、「鶴棲院さんの畳が、やっと味のある良い色になって来た。一度
見させてもらって来い。」と昨年末に言っていたのを思い出し、見に行って来ました。

院内に入ると、全体がこんじき色で、すばらしい色です。ダイケン工業の和紙表
すら、最初からこの色(黄金白)が用意されているほどです。

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近づいて畳表を見てみると、色だけではなく艶があります。大げさに言えば、藺草
の表皮がビニルのような状態と言えば分かりやすいかも知れません。人の足裏の
脂が付き、何度も踏まれることによって艶が出てくるのだと、以前五代目から聞い
た事があります。

しかし擦れて粉になるような藺草ではダメです。この藺草の品種「せとなみ」は、
藺が固くて表皮が厚いからこそ可能になるのです。びんご地草の特徴は、藺田が
山合いに点在し、絶妙な天候状況が絡み合うことで備わると言われています。

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数年使用した後の「艶」という観点からすると、「ひのみどり」よりもこの「せとなみ」
に軍配が上がるのではないかと、個人的にはそう思います。

続いて書院を見させて頂きました。備後長引が使われています。長引というのは
動力麻糸経長髭引通表と言って、備後地草の一番毛で織られる最高の畳表です。

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最後に席を見ました。当店の五代目が約20年ほど前に製作した畳ですが、広島
県福山市沼隈の重要無形文化財、(故)寺岡文子さん手織りの四配表(中継表)
を使っています。1枚織るのに寺岡さんのペースで5日を要し、縦糸は自然の麻の
皮を水に浸して軟らかくし、木槌で叩いて滑したものを割き、それを撚って作ったも
のです。手間のかかりようが、機械織りとは全く違います。一度この表を見てしまう
と、動力織りの畳表が何とも格下に思えてしまうのは私だけでしょうか。
縁は麻を藍染めした高宮縁が使われています。畳としてはこれ以上の物はないと
いう畳でした。近々、この茶席の修繕を行いますが、その模様は後日書きたいと思
います。

最高の素材は、何年経ってもオーラが出ています。
最後にすばらしい庭で目の保養をさせて頂きました。ありがとうございました。

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