FC2ブログ
平素から大変お世話になっている方から、畳の表替えの御依頼を頂きました。
ハウスメーカーM社の指定床材の畳が入っていました。
「石河君、任せるからとにかく一番良い材料で張替してくれ」と言われます。
私の場合、良い物となると普段以上に自分の判断基準が厳しくなります。

選択肢は広島の「長引き」か熊本の「さらさ」です。Mホームの建材床は、ボードが
少し厚みがありましたが、やはり麻打ちの表は張れないと判断し、長引きはやめて
綿打ちのさらさを使う事にしました。

12_02_20_02

使用した畳表は、橋口英明さんの2番草、五八サイズの最上級畳表です。
H22年の2番草で織られたさらさは初めてですが、いつもとまったく変わりません。
1年寝かした藺草は、青すぎず、程良く白口でおとなしい色合いです。
橋口さんの「ひのみどり」はこんなに細いのか、といつも思います。しかし草が固い。
もし柔らかかったら、織れないと思います。強度的にも使い物にならないでしょう。

12_02_20_04

双糸の綿縁を付けました。
更紗(さらさ)のようにきめ細かな畳表だと、こんな上品な畳になります。
敷きつめた時の綺麗さでは、ひのさらさに勝るものはないでしょう。
かつてあの故廣川宏志さんが橋口さんの工場を訪ねられ、どうしたらこんなに
綺麗な畳表を織る事ができるのかと、感心されておられました。

12_02_20_03

そして今日、納品させて頂きました。
表を強く張るので、框の角がこけないようにすべてコーナーを入れ、上前のカネ
(角度)は直角に、そして丈寸法もきつめに是正しました。
新畳を入れるような感じで、シャキッと入りました。
この位きつめに敷き込まないと、すぐに隙間ができてしまいます。

12_02_20_05

「職人は仕事に呑まれてはいけない」と、以前に先代に言われた事がありますが、
素材に臆することなく、淡々と仕事を完了する事ができました。
しかしこんな時に先代はいません。
本当に皮肉な物です、人生は。

12_02_20_06

スポンサーサイト