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30年ほど前に先代が製作した、お家元好みの四畳半茶室の畳です。
15年ほど前に、別の部屋の仕事でお伺いした事がありました。
「小間は中継ぎやからな」と先代が言っていたのを覚えてました。

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近々、茶事をされる事になり、今回の御依頼となりました。
敷かれている畳は板入れ、手織り中継ぎ表、本高宮麻縁仕様
これ以上の畳はありません。
長年使用しなかったため2帖がシロアリにやられて新畳に交換、
茶室、とくに小間は華奢な造りですので、外敵には弱いですね。
既設の畳床は板のようにカチカチなので再利用して表替え。
そのため上手く新旧の畳床を合わせなければなりません。

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かつての広島の無形文化財、寺岡文子さん手織りの四配中継ぎ表。
経糸にはまず切れる事のないアラソと呼ばれる、麻の表皮を
剥いで噤んだ素材が使用され、備後地草である「せとなみ」が
これでもかとばかり打ち込まれた畳表は、30年を経てもパンパン。
希少な畳、できればこのままお使い頂きたいくらいです。

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炉畳の小縁は、私がもっとも尊敬する先代の仕事です。
縁は炉縁のラインと面一で、もちろん直角。
30年を経ても畳表にピタリと密着しています。
悔しいかな、さらりと麻縁を付ける垢ぬけた仕事は
私には真似できません。最近、特にそう思うようになりました。
父が他界してから8年半経ちますが、久しぶりに畳を通じて
会話ができたように思います。

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茶事をしてから先は、使う予定がないとお客様。
現在の畳と同じものを製作すれば1帖20万円を下る事はないので、
この特別仕様ではない最上級の畳をご提案しました。

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私の知る限り、8軒しかない当店の手織り中継ぎ表の畳が
一つ減る事になり大変残念ではありますが、その分しっかりと
気持ちを込めて畳を製作させて頂きました。

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板入れで締めた畳の框は、何とも言えない踏み心地。
茶事では、話題の一つになってもらえると嬉しいです。

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畳表: 熊本県産「夕凪」
畳床: 稲藁一級床(送り五分)
縁: 純綿双糸

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