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茶室一白庵と樵亭は財団法人MOA美術・文化財団によって管理され、
一白庵には3畳台目の小間、7畳の広間、12.5畳の大広間があります。

一日滞在していると、じっくりと畳を見られる楽しみがあります。

昨日の茶会で薄茶席となったのが一白庵でした。
楽しみにしていた畳ですが、正直ちょっと?という感じ。
特に藺筋が矯正されていない(機械張り?)畳が多いです。
他にも色々と目につきました。

高さのムラ
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縁際の不明な縫い糸
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縁幅(九分~一寸が混在)
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ダメ出しばかりでいけませんが、しかしここは日本屈指の美術館の茶苑。
せっかく良い素材が使えるだけの予算をかけて畳の管理をされているのですから、
今回のようにお家元が来られることも度々あり、
やはり誰の目にも恥ずかしくない畳であって欲しいと願うのは、
同じ職人の一人として当然と思います。

これらは茶室畳という以前の話だと思います。


私が大広間の畳をじっと見ていると、財団の方が来られて
「何をそんなに見てられるのかと思いました。畳でしたか。」

一般の来客がお抹茶を頂く部屋から眺めることができますが、
立ち入りは禁止となっていました。
一番良い素材が使われていたのがこの大広間です。

↓ 炉は広間(四畳半)切りの本勝手


↓ 左側が廊下、そして敷居を挟んで右側が上の部屋の畳です。
畳表が異なるのが、お分かり頂けると思います。

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↑ 熊本(左)と広島(右)、
それぞれの最高素材の特徴がうまく撮れていると思います。
あくまでも私の見た目ですが、まず間違いないと思います。
おそらく備後畳は10年近く経過していますが、廊下はまだ4-5年といった所です。
大広間の畳はこの先10年はこのままで良いでしょう。
こうして比較すると、備後表の丈夫さが良く伝わってきます。

↓ 広島の備後の長引、二本芯。
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↓ 廊下は熊本産ひのみどり、ひのさらさクラスの二本芯。
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風呂先屏風の前の真塗の長板に、水指が置かれていました。
野々村仁清と並ぶ江戸中期の京焼の名工、尾形乾山(1663-1743年)です。

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茶の湯には「設(しつら)い」という言葉があります。
茶道具だけではなく畳や建築素材等に至るまでも、
それぞれが設いの体(てい)を成します。
ここには長引、最低でも備後の二番草の二本芯の畳でしょう。
設いのバランスというのはとても重要です。

畳を作る人間が、「設い」や道具の格・諸々を理解できていないと、
この部屋にどの程度の畳が必要とされるのか、という判断がつきません。

もちろん、畳自体にも材料と技術という両方のバランスがあります。
せっかくの高級素材であっても、「畳」になった時にどうなっているか。

茶会では、設いを見て席主のおもてなしの心を汲み取ります。
人の作った畳を見ることも、私に取ってとても勉強になります。
精進しなくては、と思いました。

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